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カーディフ通信

2012年4月から2015年12月までのカーディフでの生活をまとめたブログです。知りたいことがあればコメントしておいてください。時間のある時に分かる範囲で答えます。

   

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学校選び

子供がいる場合は学校をどうするかが非常に気になるところです。僕も赴任時に娘が5歳だったので学校のことがかなり気になりました。しかし赴任先での住居についてにも書いたとおり、住む家は紹介してもらっていてそこから徒歩3分のところに「とても評判がいい」と言われる小学校があったのでちょっと楽な気持ちでいました。「まずは学校を選んで、それから家を選べ」といろんな人からアドバイスを受けていたので、この2つが一気に片付いたのはかなり幸運でした。

と、いうのはぬかよろこびで、この学校に問い合わせたところ「すみません、空きがありませんので入学を受け付けられません」と言われ、徒歩3分の「とてもいい学校」への入学の道があっけなく断たれたのでした。そのことを家を紹介してくれた日本人に伝えると、慌てて学校へ行って直訴してくれたのですが「定員オーバーです」「教育委員会に入れる学校を問い合わせてください」と言われて終了。家は決まったが行く学校が無いという状態で赴任することになりました。

その話の顛末は後で書くとして、ここでウェールズの学校事情(特に小学校=Primary School)について説明しておきます。ウェールズでは入学の1年近く前から入学の手続きが始まり、自分たちの入学希望を最大3つまで申込用紙に書いて役所に提出します。すると3か月後くらいに通知が来て、どの学校に入れるかが決まります。1クラスの生徒数を30人と決めているので希望者数が定員数を超えてしまうことがあるのですが、その場合は決められた優先順位に従って絞られていきます。一番に優先されるのはLooked after childrenと言われる、ケアが必要な子供でその学校に通うのが妥当だと鑑定されている場合です。その後はCatchment Area(校区)内に住んでいるか、年上の兄弟・姉妹がすでにその学校に通っているかなど色々な条件が続きます。つまり日本のようにその校区に住んでいるからと言って必ずその学校に通えるわけではなく、定員オーバーになったら別の学校に行かざるを得ないわけです。詳しくはCardiff CouncilのSchool Admissionsのページを参照してください。

こういった事情があるので、現地の人たちにとっても希望の学校に通うのは至難の業なのです。中にはわざわざ行きたい学校のCatchment Area内に引っ越して来る人もいます。いい学校に入るためにはかなり事前に万全の準備をしておかないと難しいわけで、仕事で突然やって来た外国人家族にとってはさらに厳しいものがあります。

それではわれわれのように突然やって来た外国人はどうやって学校選びをすればいいか。最近赴任してきた日本人家族の例を紹介します。これがベストかどうかは分かりませんが、自分の時の失敗を踏まえて最大限のお手伝いをした例を紹介するので参考にはしてもらえると思います。このケースは小学校(Primary School)と幼稚園(Reception)になります。どちらも義務教育です。

①本人の赴任前

通常は本人が赴任して来て生活基盤を整えてから家族を呼び寄せることになります。家族と離れると十分なコミュニケーションを取るのが難しくなるので、赴任前に家族としっかり話し合っておくことが大切です。ウェールズの小学校には大きく分けて3種類の学校があります。プライベート(私立)、パブリック(公立)、チャーチ(財団、宗教団体)です。プライベートは学費は高いですが教育レベルや生徒へのサポートなどが充実していると言われています。パブリックとチャーチは基本無料ですが、チャーチ系では父兄が積極的に募金をすることが奨励されると言われています。僕の娘はパブリックにしか行ったことがないので具体的なことは残念ながら分かりません。ちなみにWelsh schoolというウェールズ語の学校もあるのですが、これは説明から外します。

パブリックの中でも学校によって特色があり、好みにもよりますが良し悪しがあります。たとえばすべての学校が大きな芝生の校庭があるわけではないですし、国際児向けの語学補助も必ずあるわけではありません。放課後クラブが充実しているところもあればそうでないところもありますし、外国人や移民に対して寛容だったり排他的だったりということもあります。施設やサポート体制から風土まで、学校によって本当に様々なのです。またキャッチメントエリアがどういう地域かによって生徒の雰囲気も変わってきます。低所得者が多く住む地域と高級住宅街とで違いが出てくるのは不思議ではないでしょう。

以上のことから、日本人は以下の条件で学校を選ぶことが多いです。

・比較的いい地域にある学校。
・語学補助がある。
・日本人(日系人)が通っている。
・子供が複数いる場合はすべての学年に空きがある

これらの情報は日本からでは掴みにくいので、現地のスタッフに調べてもらわないといけません。空きがあるかどうかは学校かSchool councilに問い合わせれば分かります。これらの情報をもとに家族で第3希望くらいまで決めておきます。

②本人赴任後

実は学校に通う子どもの親が赴任して来て住居が確定しても申し込みができません。学校に通う子供本人が入国してその証明が無いと願書を受け付けてくれないのです。ですから本人赴任後、家族が来るまではできる事が限られてしまいます。しかしここでしっかり希望する学校の下調べをしておくとより安心して学校を決定できます。というわけで、次のことをお勧めします。

・学校の下見。要予約ですが校長先生(Head teacher)から話も聞けます。
・学校の周りの環境の確認。
・学校に近くに住みたければ家さがし。
・入学願書(Application Form)の記入。

ちなみに無理にキャッチメントエリアに住まなくても問題はありません。キャッチメントエリアに住んでいるかどうかは役所側がふるいをかける際に使う条件で、後から来て入学する場合は空いていればどこに住んでいても入れますし、空いて無ければキャッチメントエリアに住んでいても入れないわけです。ですので好きなところに住めばいいのです。ただこちらの小学校は親が送り迎えをする義務があるので(日本みたいな集団登校は無い)学校から近い方が楽ですね。

③家族が来たら

すぐにSchool Admissionsに行きましょう。以下のものが必要です。

・Application Form
・パスポート(ビザ)と入国証明(入国スタンプを見せればOK)
・住所を証明するもの(水道局などからの郵便物でOK)

これを持って願書を受け付けてもらい、後は連絡を待つだけです。一つ注意が必要なのは、処理されず放置されている場合があるので2週間たっても連絡が無い場合はすぐに問い合わせてください。そういう国なんです。

School Admissionsから手紙が来たらどの学校に入れるかが書いてあります。すぐに学校に予約を取って面談に行ってください。いつから通えるか、制服はどこで買うかなど教えてくれます。

なお学校についてはこちらのブログにも詳しく書かれていますので参考にしてください。

さて、僕の娘の学校はどうなったかというと、最寄りの徒歩3分の学校に入れないと分かった後、2番目に近い学校に問い合わせましたが満員、3番目に近い学校も満員ということで徒歩40分の学校になってしまいました。Waiting Listに登録しておけば空きが出れば入れてくれるのですが、結局連絡は来ませんでした。僕の奥さんは車の運転をしないので送りは僕が、迎えは奥さんが徒歩かバスで行っていました。学校をちゃんと調べてから家を決めないととても面倒なことになります。



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新生活をスムーズに始めるために(後半)

引越しが完了したら次に何をするか。まず必要なのは水道、ガス、電気などのライフラインですが、これは入居とともに使えるようにしてくれと事前にお願いしておいたら不動産屋が段取りしてくれるはずです。なお水道はWelsh Water、ガスと電気はBritish Gasでしたが(これは地域によって違う場合があります)入居の連絡も不動産屋がやってくれました。「新しい住人は連絡せよ」という手紙が来たりしますが、不動産屋に頼んでおいたらしばらくしたら「ようこそ」という手紙が来て、そのうち請求書も来ますので様子を見るか不動産屋に確認しましょう。

次は何に手をつけるか。一番時間がかかるものからやった方がいいのですが、時間がかかるトップ2は銀行口座の開設とインターネットです。日本の常識から考えるとありえないくらい時間がかかるので早めに手を打つ必要があります。

銀行に関しては僕の場合は会社の経理担当社が会社に銀行マンを呼んでくれて契約しました。普通口座とクレジットカードを申し込んだのですが、口座は翌日に開設されデビットカード(キャッシュカード)は1週間後に届きました。これはクレジットカードも一緒に申し込んだので特別早く出来たようですが、普通は10日から2週間かかるそうです。クレジットカードの方は3週間くらいかかるということだったのですが、「残念ながら審査に落ちました」という手紙が来ました・・・。経理担当者が文句を言ってくれたのですぐに再審査されて無事カードも届きましたが、勧めておいて落ちましたは何とも失礼な話です。

次はインターネットですが、TVと電話とのセットで申し込むのがお得です。Googleなどで「best internet provider」と検索すると下記のようなサイトがヒットします。

http://www.uswitch.com/broadband/?gclid=CO7YpLrz3q8CFe8htAodxTFMBg

僕の住んでいる地域ではSkyのセットが安く、他の日本人出向者も同じのにしているとのことでしたのでこれを申し込みました。テレビと電話が1週間後にセットアップされたのですが、これは家に誰かいる必要があります。インターネットは電話が繋がってからルーターが送られてきて自分でセットアップします。実は申し込みの際に手違いでブロードバンドが含まれていなかったので電話が繋がってからパッケージの追加をしたのですが、ネット回線がアクティベートされるまで2週間くらいかかりました。それまでは会社貸与のiPhoneのテザリングを使って(別途申し込み必要)しのぎました。

Skyは衛星TVなのですが、数100というチャンネルがあります。MovieやSportチャンネルを追加するとさらにたくさんの番組が見れます。とにかくチャンネルがたくさんあるので何を見ていいのか悩むのですが、だいたいコメディーか映画かニュースを見ています。NHK Workdというチャンネルもあるのですが、別に日本の番組をやっているわけではありません。衛星放送なので当然パラボラアンテナを設置しないといけないのですが、これは普通は家主の許可が必要です。勝手に壁に穴をあけてしまうと後でトラブルになったりするのではじめにちゃんと確認しましょう。

日本の番組を見たい人はJSTV(衛星 or インターネット)を契約すれば見れます(番組は限られますが)。インターネット版は高速なインターネット環境が無いと映像が途切れるので、よく調べてからにした方がいいです。Vergin MediaのCableTVのセットだとかなり高速なインターネット環境が得られますが、これは少々割高です。

家族とのコミュニケーションはインターネットがあればSkypeやFaceTimeなどのアプリを使って無料でできるので早めに手に入れることをオススメします。インターネットから申し込みができるので会社のパソコンから申し込んだのですが、申し込み画面でいろいろとオプションを選ぶ必要があり、これは現地スタッフのヘルプが必要でした(特に電話に付けるオプションは何が何なのか分からない)。また、オプションを選択したり削除したりしているうちにそれまでに選んだものまで一緒に削除されたりする事があるので注意が必要です(僕はたぶんこれでブロードバンドパッケージが外れたのだと思います)。

あと英国ではTV Licenceという日本でいうNHKの受信料のようなものを払う義務があるので、テレビの視聴環境が整ったらただちに手続きをしましょう。インターネットから支払いができます。

(2014年10月8日追記)
TV Licenceに関して、NHKの受信料のように払わなくても免れるかもとか思わないで下さい。払わなかったら裁判所に呼び出されるかもしれないのでちゃんと払いましょう。



新生活をスムーズに始めるために(前半)

普通は2週間くらいの引き継ぎ期間があるのでその2週間の間に前任者に助けてもらいながら生活設営をするのですが、僕の場合は前任者の都合などもあって完全に入れ替わりで赴任することになったため現地スタッフのアドバイスを受けながら自分で生活の段取りをしました。その中でもっとこうすれば良かった、これは助かった、ということがいろいろあったので書いておきます。

まずは引っ越しについて。

住む家については前回の記事で述べた通りですが、渡航してからの流れをもう少し詳しく書くと、渡航翌日の午後に契約できるよう現地スタッフに段取りしてもらっていました。現地スタッフの車で家まで行き不動産屋と落ち合います。そこで家の中の説明を聞いて問題がなければ契約します。Deposit(敷金みたいなもので解約時に一部戻ってくる)と1ヶ月分の家賃と不動産屋への仲介料もこの時に払います。僕の場合は月895ポンドの物件でしたが、最初に合計2100ポンド払いました。鍵をもらい、これでいつでも住める状況になります。

鍵はもらったものの、ハウスクリーニングと譲り受けた家具の搬入(家主からいったん全部撤去しろと言われた)が残っていたのでこの後も3日ほどホテル暮らしが続きましたが、家具の搬入の日にホテルを引き払って入居しました。住む家があるのにいつまでもホテルに滞在するのも気が引けたので(ホテル代は会社負担だったので)さっさと引っ越ししようと思ったのですが、これがちょっと早まったというか、完全に住めるような状態を作ってから引越した方が楽だったなと後から思いました。荷物の搬入が終わったのが4時半頃で、会社に戻ったのが5時です。ベッドはあるものの寝具がなかったので現地スタッフにどこで買えばいいか聞くとDunelm(http://www.dunelm-mill.com/)が割といいものを置いていると勧めてくれました。6時閉店だというので地図をプリントアウトして急いで車で買いに走りました。

無事寝具をゲットして、会社から不動産屋にメールを書いている時(契約の時には気付かなかったいろんな事を確認するため、また後で書きます)、ふとドライヤーがないことに気付きました。もう8時を過ぎていて電気屋は閉まっています。今日は風呂は諦めようかと悩んでいる時、1月に出張で来た時にTESCO(大きめのスーパー)で電化製品を売っていたことを思い出しました。さらに、24時間営業のTESCOがあるという話も思い出しました。さっそくネットで調べて店に行きました。最初間違ってTESCO Expressというコンビニに行ってしまい、もう一度調べ直してTESCO Extraに辿り着きました。ドライヤーを無事ゲットして家に着いた時には10時を過ぎていました。熱い風呂に入って髪の毛も乾かし、買ったばかりの寝具でこの日は爆睡でした。翌朝は食べ物が何も無かったので朝ご飯は抜きでしたが。

イギリスは先進国ですし何とかなると言えば何とかなるのですが、やはり無理なく負担少なく新生活を始めたいものです。なので引越してから物を揃えるのではなくて、物を揃えてから引越した方が楽ですね。慣れない土地で夜中に運転するのも危ないですし、余裕を持って準備するべきでしょう。

渡航後のバタバタの1週間で助かったのはやはりインターネットとカーナビです。見知らぬ土地ではどこに何があるか分からないですし、現地スタッフが帰宅してしまったら頼る人がいないのでインターネットは必須です。会社がiPhoneを貸与してくれたのですが、GPSとマップ、それからブラウザが大活躍でした。カーナビも大変便利です。カーディフは街が碁盤の目のように整備されておらず、出口のたくさんあるroundaboutがあったりするので結構複雑です。帰国した日本人出向者が残していったカーナビを使わせてもらっていたのですが、これがなかったら目的地に到着するまでにもっと時間がかかったと思います。

というわけで、生活設営には車とインターネット環境(出来ればモバイル)とカーナビが必須、新居へは住める状態にしてから引越し、が重要ポイントだと思います。

ちょっと長くなったので残りは別記事で。

ちなみに、24時間営業といっても土日は24時間営業じゃないという意味不明な制度なのでご注意を(Tesco Cardiff Openとかで調べたら営業時間が分かります)!


赴任先での住居について

今日は赴任先で住む家はどうしたのかという話。渡航準備はやらないといけないことがある程度決まっているので、やるべきことをただ淡々とやれば先に進む訳ですが、行ってから住む家についてはそうもいきません。会社の寮や社宅がある場合はそこへ入ればいいわけですが、住宅手当を出すので住む家は自分で決めてくれという場合は日本にいてはなかなか手が出せません。同じ時期にアメリカへ行くことになった人は現地でマンスリーマンションみたいなところを押さえてくれているので、いったんそこへ入ってから家探しをすると言っていました。僕の場合は現地会社でそういう準備をしてもらっていなかったし、前任者の家も紹介してもらいましたがあまりおすすめでもなさそうだったので自分で探すことになりました。

前任者に不動産探しのウェブサイトと一般的に良いと言われている地域を教えてもらって探し始めました。
http://www.rightmove.co.uk/
http://www.thomasgeorge.net/
http://www.peteralan.co.uk/
※いずれもカーディフ周辺

しかし売り出し物件はある程度出ているものの、賃貸の物件がほとんどありません。良いのが出たと思って問い合わせてみると、もう借り手がついたという返事が来たり。早い者勝ちなので現地にいないとかなり不利です。高級住宅街に2件ほど物件がありましたが会社の補助を200ポンド(約3万円)以上も上回る賃貸料です。こういう状況なのでみんな1ヶ月以上もかけて家探しをしているという話でした。これは自分も覚悟しなければと思っていたところ、前任者から「別の部署だけど3月で日本に帰る人がいる、いい物件なのでどうか」と連絡をもらいました。実際に見ずに決めるのはかなり抵抗がありましたが、1ヶ月以上も家探しに走り回らないといけない非効率を考えると、ここはいったんこの家に入ってどうしても問題があれば引越せばいいと思いそこに決めました。

実際こっちに来て見てみると、小さいながらもきれいな家で近所も静かでいい人たちばかりなので正解だったなと思いました(その時は・・・)。

事前に家が決められる幸運に恵まれなかった場合、一般的にはどうすればいいかというと大体は次のケースのどれかになると思います。

ケース①
前任者が自分の住んでいる地域で家を探してあげて、赴任するなりそこへ入居するケース。普通は2週間程度の引き継ぎ期間があるので、その間に生活環境についてもフォローしてもらうことができる。

ケース②
前出のマンスリーマンションに入ってじっくり決めるケース。マンスリーマンションでなくても、契約内容によっては3ヶ月〜6ヶ月で出ていける場合もあるので、まずはどこかに落ち着いて、家族が来てから改めてじっくり住む家を探すという手もある。

ケース③
アテも無く来て一から探すというケース。うちの会社では家族の下見旅行に補助が出るので、奥さんを呼び寄せて一緒に家を見て回って決めるということをやった人がいる。時間はかかるが、家族も納得できるというメリットはある。

ケース④
単身/独身の人は会社の近くのフラットに住んでいることが多い。家族が一緒ではないので学校とか買い物とかの立地条件をあまりシビアに考える必要がない。むしろ会社の近くに住んだ方がメリットが多い。

家族も帯同する場合はやはり①か②がいいと思います。家の好みがうるさい人は②か③でじっくり決めるのがいいと思います。僕の場合もそうですが、来た直後は土地勘もなくチンプンカンプンですが、いったん家に入って買い物とかに出かけてみるとどこの地域がよさそうだというのが分かってきます。別にそこにずっと住まないといけないことはないので①でもいいと思いますが、近所に会社の人が住んでたりするとちょっとややこしいかもしれませんね。

子供を伴って赴任する場合、家選びは学校選びと切り離せないのでここはワザが要ります。この辺りは別途書きます。

あと僕の家がその後どうなったかという話も、後ほど・・・



渡航までのイベント

国内の転勤とは違い、海外赴任の場合は「君、イギリスヘ行ってくれ」「はい、分かりました」で渡航、という訳にはいきません。実際に渡航するまでにいろいろとイベントがあります。会社によっても違うと思いますが、参考までに僕のケースを紹介しておきます。

注)会社のイベントも含まれますし、会社が代行してくれているものもあるので、個人で移住する場合や他の会社の場合は違うケースが多々あると思いますのであくまでも参考まで。

各イベントを時系列で書くとこんな感じです。

①海外赴任の打診
②健康診断、予防接種
③赴任決定
④パスポート、ビザの手続き開始
⑤渡航説明会
⑥インターネットバンキング口座開設
⑦各種研修
⑧パスポート、ビザ発行
⑨航空券の発行
⑩海外へ荷物送付(航空便、船便)
⑪携行外貨の準備
⑫運転免許証の期間外更新、国際免許の取得
⑬住民票の転出届
⑭その他、住所変更や郵便物の転送手続き、引き落とし口座の変更、固定資産税の自動引き落とし手続きなど

僕の場合は家は空き家のまま置いておくことにしましたし車は所有していなかったので関係ありませんでしたが、家の預託手続きや車の売却などもやらないといけません。注意が必要なのは住民票の転出届けを出してしまうと印鑑証明が取れないので、車の売却などで必要な場合は印鑑証明を先に取得しておくか、必要無くなってから転出届を出さないといけません。

以下、補足説明です。

①海外赴任の打診と③赴任決定の間に②健康診断、予防接種があるのは、健康上の問題が見つかった場合に渡航中止ということになる場合があるためです。なので僕の会社の場合、健康診断の結果問題が無いことを確認した上で正式に赴任手続きが始まることになっています(たぶんどこも同じでしょうね)。また健康診断の際、あるいは診断結果説明の時に必要な予防接種を受けます。イギリスの場合は特に受けないといけない予防接種はないのですが、破傷風だけは受けておいた方が良いと勧められたのでそれだけ受けました。

④のビザの手続きは会社が旅行代理店に依頼して、申請に必要な書類の作成を代行してもらったので面倒な書類作りはやらずに済んだのですが、下記のものは自分で準備する必要がありました。

・イギリスWP申請文
・Application COS - Personal Details Form
・英国査証用質問書
・英文の大学の卒業証明書と成績証明書
・パスポートのコピー
・ビザ用証明写真
・戸籍謄本(未婚の人は不要)

イギリスWP申請文に職務経歴を書くところがあるのですが、ここは手を抜かずに出来る限り詳細に書く方が良いです。英国としては自国に来てもらう価値のある人かどうかを見るので、ここをいい加減に書くと手続きに影響が出る場合があります。ちなみに僕は大学時代の留学経験もAcademic Backgroundのところに書きました。

もう一つ注意が必要なのは、卒業証明と成績証明は日本語の場合は即日発行できたりすると思いますが、英文の場合は作成に時間がかかる(僕の場合は10日)ので早めに動かないとビザの申請が遅れることになります

また当然赴任先の会社から英国当局へのスポンサーシップの申請(この人を雇用したい、というもの)が必要になりますが、僕の場合は会社がやってくれたので詳細は分かりません。

書類が全てそろったらパスポートと申請料(約5万円)を持ってパスポート、ビザセンターに行きます。

⑤の渡航説明会は会社が開催するもので、海外引越や海外での子女教育などのアドバイスをしてくれます。

⑥のインターネットバンキングは必須ではないのですが、日本で引き続きお金のやり取りをやらないといけない人は作っておくと海外から振込などが出来て便利です。

⑦も会社が実施するもので、経営理念、異文化研修、リスクマネジメント、法務・コンプライアンス、海外人事マネジメント、安全対策、知的財産権、医療事情と健康管理などを3日間に渡って受講しました。

⑧ビザは僕の場合は申請後2週間ほどで発行されましたが、こればかりは人や時期によるようです。追加料金を払えば早くやってくれるオプションもあるようです。

⑩海外への荷物の送付ですが、イギリスの場合は航空便が約10日から2週間、船便が1ヶ月ほどかかります。ただし、現地のホリデーなどと重なると遅れる場合がありますので注意が必要です。また予定日が近づいて来たら運送会社に搬入予定日を確認した方が良いです。僕の場合は2週間経っても連絡が来ず、しつこく催促してやっと搬入されました。

⑪の携行外貨の準備ですが、現地で家の契約をする時に現金で支払わないといけないのと、銀行口座を作って給料が入るまでは文無しなのである程度は持って行った方が良いです。僕の場合は家の契約に2000ポンドほど必要だったので日本円で40万円分をポンドに替えて持って行きました(1ポンド=140円)。実際には日本のクレジットカードが使えたのと50ポンド紙幣を受け付けてくれない店があったので、銀行口座が出来てデビットカードが届いた時点で800ポンドほど残っていました。両替の時に50ポンド紙幣を入れないでくれと言いましょう

⑫運転免許証の期間外更新と国際免許の取得は上手くやれば午前中に済みます。大阪の門真試験場の場合、朝8時30分の受付開始から並ぶと10時からの1回目の講習が受けられ、11時には新免許の交付を受けられます(違反者講習の場合はもっと長いと思いますが)。免許の更新が終わったら国際免許の申請をして、これは30分ほどで交付されます。なお海外にいる間に更新期限が過ぎてしまった場合でも、帰国後すぐに申請すれば問題無く再発行されます(2012年現在で確か6ヶ月以内)。帰国後所定期間が経過してしまうと試験を受け直さないといけないので注意が必要です。

⑬の住民票の転出届は市役所に届け出れば終わりなのですが、市の子供手当などを自分名義で受けている場合は嫁さん名義で申請し直さないといけなかったりするので、その場合は嫁さん名義の銀行口座が必要になります。

⑭は家族が引っ越して来るタイミングでやります。


ざっと以上ですが、これらを上手くスケジューリングしないと会社を無駄に休まないといけなくなったりします。ビザの申請中はパスポートを預けないといけないので、パスポートが必要な申請が出来ません(例えば国際免許)。

そういえば入居してしばらくすると水道局(Welsh Water)から最初の請求書が来たのですが、2012年4月から2013年3月までの1年分を支払えとありました。金額は約700ポンドでした。僕の場合は4月末日に給料が出たのでそれで払いましたが、こういう予想外の出費もありますのでやっぱり余分に持って行って余ったら銀行に預けるようにした方がいいでしょう。ちなみに職場の同僚に聞いたら毎月請求書が来ると言っていたので、必ずしも1年分払うシステムではないようです。僕の場合は定額料金で使い放題ですが、これも契約によるようです。あと車も必要だと思いますが、中古でも程度のいい日本車を買う場合は7000ポンドほどします。こちらでは車を買う方法もいろいろあるので、その話はまた改めて。

ウェールズについて

「地球の歩き方 イギリス」にはウェールズの事はほんの少ししか書かれていません。Amazonで検索したところウェールズに関するガイドブックや旅行記がいくつか見つかったので赴任前に何冊か購入して読みました。有名ガイドブックには載っていない、好奇心をそそられる情報がたくさんあり、そのうちのいくつかはすでに訪れましたが、まだまだ行けていないところがたくさんあります。

詳しくは別途記事を書くとして、キーワードだけここに書いておきます。

・ケルト文化
・ウェールズ語
・ローマ人、イングランド人、ノルマン人との攻防
・アーサー王伝説
・ドゥルイド僧
・不思議の国のアリス

あの映画のモデルはウェールズのあれだったのか!
あれってウェールズの事だったのか!
意外と知られていない事がたくさんあります。
少しずつ紹介していけたらと思います。

カーディフについて

僕の住むカーディフという町はウェールズの首都です。ウェールズは「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(イギリス)」を構成する4つの国の一つです。他にはイングランド、スコットランド、北アイルランドがあります。ブリテン島の南西に位置し、ロンドンから250km、海の向こうはアイルランドです。

カーディフの人口は約30万人で、首都と言っても和歌山市(38万人)や奈良市(36万人)よりも少ないという非常にこぢんまりした町です。町の中心部はそれなりに賑わっていますが、車で10分も走ると牧草地帯が広がり、北海道出身者に「なつかしい」と言わしめる、とてものんびりとしたところです。

カーディフ・シティFCがプレミアリーグに所属していますが、実はサッカーよりもラグビーの方が人気があります。カーディフのミレニアム・スタジアムでラグビーの試合がある時などは町中が沸き立ちます。ヨーロッパの国際大会であるシックス・ネイションズで2012年、2013年と連続優勝を果たし、全優勝回数も最も多い34回です。

カーディフは産業革命以降、石炭の積み出しで発展したのですが、サッチャーの時代にほとんどの炭坑が閉鎖されました。炭坑の閉鎖と前後して、外国から主に製造メーカーがカーディフとその周辺にやって来ました。日系企業も1973年以降次々とウェールズへやって来たのですが、そのあたりはウェールズ日本人会ホームページに当時の様子が書かれています。


このブログについて

2012年4月から英国のウェールズに駐在しています。1年半経った今このブログを始めることにしたのは、

①ウェールズやカーディフについて広く知ってもらおう
②帰任時に後任者へ引き継ぎするためのメモに使おう

と思ったからです。最初は赴任時点で書き始めようと思ったのですが(実際書き始めたのですが)、不確かな事も多かったのでもうちょっと物事が分かってからにしようと記事の公開を控えていました。今はだいぶ色んな事が分かるようになって来たので、それなりに信頼性のある記事が書けると思っています。

僕は大学生の時にアメリカに1年住んだ事があったのですが、英国はちょっと勝手が違いますし今回は家族も一緒なので一人の時とは違っていろいろと苦労しています。家の事や学校の事など、日々の生活の中で遭遇した苦労話や対応方法などを書いていこうと思います。

仕事に関しては残念ながら書く内容を制限せざるを得ないと思いますが、海外で仕事をする上での一般的な事に関してはなるべく書いていきたいと思います。

その他、英国内やヨーロッパ諸国への旅行情報なども発信したいと思います。

ご質問、または「それは違うやろ!」というツッコミなど常時受け付けていますのでご遠慮なくコメントください。

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