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カーディフ通信

2012年4月から2015年12月までのカーディフでの生活をまとめたブログです。知りたいことがあればコメントしておいてください。時間のある時に分かる範囲で答えます。

   

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学校選び

子供がいる場合は学校をどうするかが非常に気になるところです。僕も赴任時に娘が5歳だったので学校のことがかなり気になりました。しかし赴任先での住居についてにも書いたとおり、住む家は紹介してもらっていてそこから徒歩3分のところに「とても評判がいい」と言われる小学校があったのでちょっと楽な気持ちでいました。「まずは学校を選んで、それから家を選べ」といろんな人からアドバイスを受けていたので、この2つが一気に片付いたのはかなり幸運でした。

と、いうのはぬかよろこびで、この学校に問い合わせたところ「すみません、空きがありませんので入学を受け付けられません」と言われ、徒歩3分の「とてもいい学校」への入学の道があっけなく断たれたのでした。そのことを家を紹介してくれた日本人に伝えると、慌てて学校へ行って直訴してくれたのですが「定員オーバーです」「教育委員会に入れる学校を問い合わせてください」と言われて終了。家は決まったが行く学校が無いという状態で赴任することになりました。

その話の顛末は後で書くとして、ここでウェールズの学校事情(特に小学校=Primary School)について説明しておきます。ウェールズでは入学の1年近く前から入学の手続きが始まり、自分たちの入学希望を最大3つまで申込用紙に書いて役所に提出します。すると3か月後くらいに通知が来て、どの学校に入れるかが決まります。1クラスの生徒数を30人と決めているので希望者数が定員数を超えてしまうことがあるのですが、その場合は決められた優先順位に従って絞られていきます。一番に優先されるのはLooked after childrenと言われる、ケアが必要な子供でその学校に通うのが妥当だと鑑定されている場合です。その後はCatchment Area(校区)内に住んでいるか、年上の兄弟・姉妹がすでにその学校に通っているかなど色々な条件が続きます。つまり日本のようにその校区に住んでいるからと言って必ずその学校に通えるわけではなく、定員オーバーになったら別の学校に行かざるを得ないわけです。詳しくはCardiff CouncilのSchool Admissionsのページを参照してください。

こういった事情があるので、現地の人たちにとっても希望の学校に通うのは至難の業なのです。中にはわざわざ行きたい学校のCatchment Area内に引っ越して来る人もいます。いい学校に入るためにはかなり事前に万全の準備をしておかないと難しいわけで、仕事で突然やって来た外国人家族にとってはさらに厳しいものがあります。

それではわれわれのように突然やって来た外国人はどうやって学校選びをすればいいか。最近赴任してきた日本人家族の例を紹介します。これがベストかどうかは分かりませんが、自分の時の失敗を踏まえて最大限のお手伝いをした例を紹介するので参考にはしてもらえると思います。このケースは小学校(Primary School)と幼稚園(Reception)になります。どちらも義務教育です。

①本人の赴任前

通常は本人が赴任して来て生活基盤を整えてから家族を呼び寄せることになります。家族と離れると十分なコミュニケーションを取るのが難しくなるので、赴任前に家族としっかり話し合っておくことが大切です。ウェールズの小学校には大きく分けて3種類の学校があります。プライベート(私立)、パブリック(公立)、チャーチ(財団、宗教団体)です。プライベートは学費は高いですが教育レベルや生徒へのサポートなどが充実していると言われています。パブリックとチャーチは基本無料ですが、チャーチ系では父兄が積極的に募金をすることが奨励されると言われています。僕の娘はパブリックにしか行ったことがないので具体的なことは残念ながら分かりません。ちなみにWelsh schoolというウェールズ語の学校もあるのですが、これは説明から外します。

パブリックの中でも学校によって特色があり、好みにもよりますが良し悪しがあります。たとえばすべての学校が大きな芝生の校庭があるわけではないですし、国際児向けの語学補助も必ずあるわけではありません。放課後クラブが充実しているところもあればそうでないところもありますし、外国人や移民に対して寛容だったり排他的だったりということもあります。施設やサポート体制から風土まで、学校によって本当に様々なのです。またキャッチメントエリアがどういう地域かによって生徒の雰囲気も変わってきます。低所得者が多く住む地域と高級住宅街とで違いが出てくるのは不思議ではないでしょう。

以上のことから、日本人は以下の条件で学校を選ぶことが多いです。

・比較的いい地域にある学校。
・語学補助がある。
・日本人(日系人)が通っている。
・子供が複数いる場合はすべての学年に空きがある

これらの情報は日本からでは掴みにくいので、現地のスタッフに調べてもらわないといけません。空きがあるかどうかは学校かSchool councilに問い合わせれば分かります。これらの情報をもとに家族で第3希望くらいまで決めておきます。

②本人赴任後

実は学校に通う子どもの親が赴任して来て住居が確定しても申し込みができません。学校に通う子供本人が入国してその証明が無いと願書を受け付けてくれないのです。ですから本人赴任後、家族が来るまではできる事が限られてしまいます。しかしここでしっかり希望する学校の下調べをしておくとより安心して学校を決定できます。というわけで、次のことをお勧めします。

・学校の下見。要予約ですが校長先生(Head teacher)から話も聞けます。
・学校の周りの環境の確認。
・学校に近くに住みたければ家さがし。
・入学願書(Application Form)の記入。

ちなみに無理にキャッチメントエリアに住まなくても問題はありません。キャッチメントエリアに住んでいるかどうかは役所側がふるいをかける際に使う条件で、後から来て入学する場合は空いていればどこに住んでいても入れますし、空いて無ければキャッチメントエリアに住んでいても入れないわけです。ですので好きなところに住めばいいのです。ただこちらの小学校は親が送り迎えをする義務があるので(日本みたいな集団登校は無い)学校から近い方が楽ですね。

③家族が来たら

すぐにSchool Admissionsに行きましょう。以下のものが必要です。

・Application Form
・パスポート(ビザ)と入国証明(入国スタンプを見せればOK)
・住所を証明するもの(水道局などからの郵便物でOK)

これを持って願書を受け付けてもらい、後は連絡を待つだけです。一つ注意が必要なのは、処理されず放置されている場合があるので2週間たっても連絡が無い場合はすぐに問い合わせてください。そういう国なんです。

School Admissionsから手紙が来たらどの学校に入れるかが書いてあります。すぐに学校に予約を取って面談に行ってください。いつから通えるか、制服はどこで買うかなど教えてくれます。

なお学校についてはこちらのブログにも詳しく書かれていますので参考にしてください。

さて、僕の娘の学校はどうなったかというと、最寄りの徒歩3分の学校に入れないと分かった後、2番目に近い学校に問い合わせましたが満員、3番目に近い学校も満員ということで徒歩40分の学校になってしまいました。Waiting Listに登録しておけば空きが出れば入れてくれるのですが、結局連絡は来ませんでした。僕の奥さんは車の運転をしないので送りは僕が、迎えは奥さんが徒歩かバスで行っていました。学校をちゃんと調べてから家を決めないととても面倒なことになります。



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