いよいよウェールズ旅行について書いていこうと書きかけのブログ一覧を確認してみると、なんとテンビーは3年半も前に書き終わっていました。たぶんシリーズでどんどんアップしようと思っていて、その前にそれより重要な生活情報などをアップしてしまおうと思っていたんでしょう。それがだらだら時間がかかって、ついに帰任になってしまったというオチです。
というわけで、この記事は2012年6月頃に書かれてずっと非公開で眠っていたものです。せっかくなので誤字だけ修正してそのまま公開することにします。
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もうかれこれ1ヶ月も経ってしまいましたが、日本のGWに合わせて休暇を取ってウェールズをぐるっと一周して来たので写真付きで紹介します。
本当は1週間ほどかけてゆっくり回りたかったのですが、4月の下旬から嵐に見舞われ身動きが取れませんでした。2012年4月のイギリスは観測史上最多の降雨量であちこちで洪水が発生していました。5月1日の午後から次第に晴れるとの予報を受け、準備万端整え時が来るのをじっと我慢していました。
5月1日午後2時、雲がはれる兆しが見え始めたので思い切って車で出発しました。M4を西へ向かって走っているとみるみる天気がよくなり、さっきまでのどんよりした空が嘘のように青空に変わって行きました。当初の計画ではRhossili(ガウアー半島)に寄る予定だったのですが、出発が遅くなってしまったためそこはすっ飛ばし、一気にTenbyまで向かいました。
TenbyはPembrokeshireにある城壁に囲まれた小さな町で、Carmarthen湾の西側に位置します。リゾート地として人気があり、海岸に面した断崖の上にB&Bがたくさん立ち並んでいます。

Five archesと呼ばれる入り口

Five archesを内側から
実はここもちょっと立ち寄るだけのつもりだったのですが、海岸沿いに車を停めて海を眺めているともう少しここに居たくなってしまいました。いくつかあるB&Bのうち割ときれいそうな宿に目星を付けて受け付けで聞いてみると、ちょうどシングルの部屋が空いていて1泊朝食付きで38ポンドとのことでした。無料のWifiもあり、部屋も見せてくれてまずまずだったのでここに1泊する事にしました。

4kmにわたる長い砂浜。

Clarence House Hotel 1泊朝食付きシングル(トイレ/シャワー付き)が38ポンド
夕食にはまだ早いので部屋に荷物を置いてカメラを手に散歩に出かけました。通りという通りを歩いてみましたが、小さな町なのであっという間に踏破してしまいました。町から少し外れるとこれまた小さな漁港があり、潮が引いて海面が低くなった湾の中に傾いた漁船がいくつも見えました。

ウェールズの国旗「レッドドラゴン」

町の中の道路標識 このあたりまで来るとウェールズ語が先に書かれている

町の中心にあるSt. Mary's Church

漁港
丘の上に行くとTenby城跡がありました。建物はほとんど残っておらず朽ちかけた塔と錆びた砲台があるだけなのですが、その古さ加減が何ともいえない雰囲気を醸し出していました。ここからのSt Catherine's Islandの眺めが最高です。

城跡に残る昔の砲台

St Catherine's Island
Tenbyはかつてノルマン人(スカンジナビアなど北欧地域にいた北方ゲルマン人)のイングランド攻略の拠点として征服されていた時代があったそうです。12世紀後半と13世紀後半にはウェールズ人の反抗に合い、これを機に城壁が築かれましたが、17世紀の市民革命運動に伴う戦争で城壁と町は破壊されその後衰退して行ったようです。ところが18世紀におこった産業革命で金持ちになった人たちがここに別荘を建て始めたのをきっかけに町は復活し、その後イギリスの金持ちたちの保養地として発展してきたそうです。
そんな時代背景を考えながらぶらぶらと歩き続ける事2時間、さすがにお腹がすいたのでホテルの女性に紹介してもらったシーフード料理店へ行きました。Plantagenet House Restaurantという路地の奥まったところにあるあまり目立たない店ですが、これが最高のシーフードを提供してくれました。店の建物は古く、なんと500年前の煙突がありました。

Plantagenet House Restaurant

Plantagenet House Restaurantの店内 店の奥に500年前の煙突がある
食事を終えて店を出るとずいぶん暗くなっていました。腹ごなしにまたしばらく散歩しているとFive Archesが幻想的にライトアップされていました。

夕暮れのFive Arches
イギリスに来て久しぶりに素敵な店でおいしい料理にありつけて、写真もたくさん撮れて、滑り出し好調なウェールズ旅行1日目でした。